先物取引の基本ルール

それでは、先物取引を行うにあたっての基本的な先物取引ルールを説明
していきますね。先物取引での基本的なルールは4つです。

先ほど説明した部分と重複する部分もありますが、大切な項目ですので
再確認のつもりで購読してみてくださいね。それでは今から解説していきます。

 

先物取引の基本ルール(1):決済方法と期限について

日経225先物には、「転売・買戻による決済(SQ前の任意の日・時点での決済)」と、「最終清算指数による決済(いわゆるSQでの決済)」という2種類の決済方法があります。

転売・買戻による決済とは、SQの日より手前の好きな時に、買建玉を売って買ポジション(=ロング・ポジションともいう)を清算(「転売」)したり、逆に、売建玉を買い戻して売ポジション(=ショート・ポジションともいう)を清算(「買戻し」)することをいいます。このように、安く買って高く転売したり、高く売って安く買い戻すことによって利益を得たり、あるいは予想に反した値動きによって損切りを行うために、好きな時に建玉を決済するのが1つ目の方法であり、SQの日より前であればいつでも決済することができます。

一方、SQ(Special Quotation)による決済とは、SQ前日までに任意で建玉の決済をせずに、3月・6月・9月・12月の第2金曜日の日経225構成銘柄の始値によって計算される最終清算指数(SQ値)によって、(たとえ損失が出ていたとしても)強制的に決済する方法のことです。

すなわち日経225先物指数(値段)というのは、決済期日(SQ)までは予想や予測に基づく「需給」で決まり、決済期日には個別銘柄が実際に売買された「事実」によって決まるのです。なお、年4回あるSQでは、その限月取引に該当する建玉は必ず決済する必要があり、限月をまたいでポジションを取ることはできません。

 

先物取引の基本ルール(2):差金決済方式について

日経225先物では差金決済方式を採用しており、これは当初の建玉の価額と決済時の日経225先物指数(値段)(もしくは最終清算指数(SQ値))の差額だけを受け取ったり支払ったりするというルールです。

例えば16000円で1単位(1枚)の買い注文を入れて買ポジションを取ったとします。その後、日経225先物指数(値段)が上昇したため、SQを待たずに16090円で売り注文を出し、約定したとします。その場合の受け渡し金額は「16090-16000=90円」で、実際の損益は「90円×1000(1枚あたりの取引単位)-売買手数料」となります。つまり、90円の上昇でも9万円弱の利益となります。

一方、「225指数は下がるだろう」と考えて16000円で1単位(1枚)の売り注文を入れ、売ポジションを取ったところ、予想に反して日経225先物指数(値段)が上昇したため、16050円で買い戻しの注文を出し、約定したとします。その場合の受け渡し金額は、「16000-16050=-50円」で、実際の損益は「-50円×1000(1枚あたりの取引単位)-売買手数料」となります。つまり、たった50円の損失が実際には5万円以上の損失となるのです。(なお、日経225miniの1枚あたりの取引単位は100となります。)

 

先物取引の基本ルール(3):証拠金について

証拠金取引とは、予め計算された金額の現金(もしくは代用有価証券)を用意して、その何倍かの取引をし、決済をしたときに利益もしくは損失の差額だけを清算するという取引の仕組みです。そして、決済を確実に行うためにある程度の損失リスクを計算し、予め証券会社側にお金を差し入れておくというのが証拠金の目的です。

日経225先物と、外国為替証拠金取引や株式の信用取引の証拠金の違いは、外国為替証拠金取引や信用取引の証拠金が「取引額に対して何%か」という単純な計算方法であるのに対し、日経225先物では「SPAN(R)証拠金」といわれる独自の指数を使って必要な証拠金額を計算するという点です。

SPAN(R)とは、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)が1988年に開発した証拠金の計算方法とシステムのことで、Standard Portfolio Analysis of Risk(R)の略称です。取引全体の建玉から発生するリスクに応じて証拠金額を計算するという考え方で成り立っています。日経225先物では、大阪証券取引所が採用するSPAN(R)証拠金額に基づいて、各証券会社が証拠金を算出・設定しており、SPAN(R)証拠金額は常に変動します。

なお、追加証拠金の差し入れが必要となるケースには、「総額の不足(受入証拠金が証拠金所要額を下回った場合)」と「現金不足(差し入れている金銭が現金支払い額を下回った場合)」があります。実際に取引に必要な証拠金額や、証拠金の差し入れに関するルールについては、ご自分が利用する証券会社の規定を参照してくださいね。

 

先物取引の基本ルール(4):その他のルール

●取引時間:前場9:00~11:00(半休日9:00~11:10)、後場12:30~15:10
●取引単位:日経平均株価指数(日経225)の1000倍
●呼値:10円(日経225miniは5円)
●値幅制限:

 

基準値段

制限値幅

12500円未満

上下 2000円

12500円以上17500円未満

上下 3000円

17500円以上22500円未満

上下 4000円

22500円以上27500円未満

上下 5000円

27500円以上32500円未満

上下 6000円

32500円以上37500円未満

上下 7000円

37500円以上42500円未満

上下 8000円

42500円以上

上下 9000円

 

※日経225miniの当日における更新値幅・制限値幅の設定のための基準値段、更新値幅   および制限値幅は、日経225先物の同一限月取引と同一値段・同一値幅となります。
※日経225miniの基準値段は、原則として、前日の日経225先物の終値が採用されます。

 

以上が先物取引を行うにあたっての基本的なルールになります。基本を知らなくてもトレード
することはできますが、基本を知っていた方がより安全なトレードができますぜひ、覚えてみてくださいね。

日経225先物取引-コンテンツ一覧